安房鴨川を出て四五分で終点の館山である。館山の駅舎は、テーマパークの入りロにあるような赤茶色の屋根に白い壁でできた南欧風の建物で、目立っている。駅舎は線路をまたいでいるいわゆる「橋上駅」であり、東西両サイドへ自由に降りられるようになっている。西側が海側であるが、駅前はロータリーになっていて、真ん中には大きな花壇がある。南国風の熱帯植物が植えてあり、そのロータリーから海岸へはすっきりとした広い道路がまっすぐに伸びている。思わず海岸へ出たくなってしまう街づくりであり、私もついつい気がついたら海岸まで歩いていた。海岸に沿ってしばらく歩き、疲れたので海に面した県立安房博物館へ入ってみた。とりたてて面白いということはなかったが、海の見える休憩室のソファーでくつろぐのは心地よかっか。すべてを忘れ去り、波とともに洗い流す。雄大な海をのんびり眺めていると身も心もリフレッシュされ、さらに先へ進む気になった。海に別れを告げて、街の南にある小高い山に向かう。山頂には小さな城がそびえていた。館山城。あの「里見八犬伝」とかかわりのある場所らしい。綺麗な城だが、それもそのはず、復元された建物だ。このまわりは城山公園となっていて、上から館山の街と海が一望できる。いつもの癖で、駅はどこだ、線路は?と探すがうまく見つけることができなかった。