四条通り、花見小路と縄手通りのちょうど真ん中辺り、一本の細い路地があり、切り通しと呼ばれている。車一台がやっと通れるほどの細い道ではあるが、ここには京都を代表する名店が犇めいていて、例えば、××なる一見さんお断りのおでん屋さんがあり、夜には歌舞伎役者をはじめとする著名人の溜まり場と化し、最低でも一人二万円は下らないという、一般庶民には縁遠い存在なるも、昼には一見であっても、誰もが食べられるおでん定食二五〇〇円という不思議なメニューがあるのだそうだ。
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僕にはこれが高いのか安いのかさっぱりわからないのでまだ足を運べないでいる。或いは鯖寿司の名店「いづう」もこの切り通しに面していて、フレンチ懐石の老舗「金星」や「祇園おくむら」もあると、名店目白押しの通りなのだ。もう少し身近なところでは昔ながらのカフェ「進々堂」がある。普通のトーストや手搾りのジュースが美味しくて、だけど取り立てて特徴がないことから、殆どマスメディアには露出しないという名店がこっそりあったりする不思議な通りなのだ。だが唯一この通りで季節を問わず、いつでも観光客は勿論、地元客も含めて客の出入りが絶えない店、それが「権兵衛」である。