明礬温泉の湯の花のように、温泉地の土産品のなかにはその土地の伝統産業として発展してきたものがある。土産は「宮笥」すなわち遠方の神社に詣でて授かる器や御札をいい、帰宅後人びとに配って御利益のお裾分けをするという意味合いがあったという。それが、神社で授かったものにかぎらず、旅行者がその土地で生産された物を買って持ち帰るようになり、これもみやげ(土産)とよばれるようになった。土産とはその文字が示すごとく、元来その土地で生産されたもの、すなわち土地のものを材料とし、その土地の人びとによって作られたものである。
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したがって土産品には、それを生み出す地理的な環境や製造技術、あるいはそれを支えた地域の歴史的・社会的背景などさまざまな事柄が内在している。神社仏閣とともに、旅の主要な訪問地であった温泉地。そこにさまざまな土産物が出てくるのは、自然なことであろう。だからこそ、伝統的な土産を通して見えてくる温泉地の姿もあるはずなのである。